仕事帰りに、宴会のために居酒屋に入っていく人の姿を見かけることがあります。なんとも期待に満ちてのれんを潜っていくあの姿です。格好はスーツ、手には鞄、その中には先ほどまで頭を悩ませた仕事の書類がいくらびっしり詰まっていても、人はのれんを潜っていくのです。赤ちょうちんが出迎えてくれます。まるで、ここから先は任せておけ、と言わんばかりの存在感と安定感があります。緑の提灯を出すお店もありますが、視覚的なインパクトはやはり赤い提灯にかないません。
のれんはある店ない店ありますが、あったほうが、ここから先の世界、と、これまでの世界、を分ける感じがはっきりしてなお興奮します。少し背丈よりも低く垂れ下がっていて、頭を垂れてまるでお辞儀でもするかのように内側へと踏み入れる必要のあるのれんが、ベストでしょう。さらに、欲を言えば、のれんは少しばかり年季の入っているものがよい気がします。あまり新しすぎてピカピカですと、どうしても、そこらへんの看板と同じでのっぺりした印象をうけてしまいます。しかし、少しよれていて、時代を感じさせるものだと、ぐぐっときます。
今宵も、そのように、多くの人影が、赤い提灯の横ののれんをちょいとくぐって、新しい世界へと踏み出していくことでしょう。居酒屋って、いいですね。
宴会を行うなら、松本駅の「四季旬菜酒場 壱-ichi-」
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